行政法の過去問
全 26 問
2025年度
2025年度 全問 →問題 9
行政罰に関する次のア〜エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 ア 財団法人の理事の就任に関する登記が法定期間内に行われなかったことに対して 科される過料は、非訟事件手続法に基づく手続によって科されるが、中立性のある 裁判所によって、当事者の陳述の機会を設けた上で科されるものであり、かつ即時 抗告も可能であることから、憲法上の適正手続の要請に反しているとはいえない。 イ カルテル行為を行ったことによって独占禁止法*違反被告事件において罰金刑が 確定している者に対し、さらに独占禁止法の規定に基づき課徴金の納付を命ずるこ とは、課徴金を課せられるべき違反者の行為を犯罪とし、それに対する刑罰とし て、これを課する趣旨でないことは明らかであるから、二重処罰の禁止には違反し ない。 ウ 所得税の確定申告において虚偽記載を行い所得税を脱税したことにより、懲役刑 と罰金刑を併科された者に対して、さらに重加算税を科すことは、重加算税が申告 納税を怠った者に対し、その行為の反社会性ないし反道徳性に着目し、これに対す る制裁として科せられるものでもあるから、二重処罰の禁止に抵触する。 エ 刑事裁判において正当な理由がなく証言を拒んだ場合に、刑事訴訟法に基づき裁 判官により秩序罰として科される過料と、同法に基づき通常の刑事手続により科さ れる罰金は、法廷秩序の維持という点で目的が共通しているから、両者を併科する ことは許されない。 1 ア・イ 2 ア・ウ 3 イ・ウ 4 イ・エ 5 ウ・エ (注) * 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
問題 10
行政行為の附款に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
問題 26
行政機関情報公開法*(以下「法」という。)に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。 (注) * 行政機関の保有する情報の公開に関する法律
問題 41
問題41 次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から選びなさい。 憲法 13 条は、人格的 [ア] に関わる重要な権利として、自己の意思に反して [イ] を受けない自由を保障しているところ(最高裁令和 2 年(ク)第 993 号同 5 年 10 月 25 日大法廷決定・民集 77 巻 7 号 1792 頁参照)、不妊手術は、生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす [イ] であるから、不妊手術を受けることを強制することは、上記自由に対する重大な制約に当たる。したがって、正当な理由に基づかずに不妊手術を受けることを強制することは、同条に反し許されないというべきである。 ・・・(中略)・・・。 憲法 13 条は [ウ] と人格の尊重を宣言しているところ、〔不妊手術を強制する当時の優生保護法の〕本件規定の [エ] は、特定の障害等を有する者が不良であり、そのような者の出生を防止する必要があるとする点において、立法当時の社会状況をいかに勘案したとしても、正当とはいえないものであることが明らかであり、本件規定は、そのような [エ] の下で特定の個人に対して生殖能力の喪失という重大な犠牲を求める点において、 [ウ] と人格の尊重の精神に著しく反するものといわざるを得ない。 (最大判令和 6 年 7 月 3 日民集 78 巻 3 号 382 頁)
2024年度
2024年度 全問 →問題 9
行政立法に関する次の記述のうち、法令の定めまたは最高裁判所の判例に照ら し、妥当なものはどれか。
問題 10
行政法における一般原則に関する最高裁判所の判例について説明する次の記述の うち、妥当なものはどれか。 1 特定の事業者の個室付浴場営業を阻止する目的で町が行った児童福祉法に基づく 児童福祉施設の認可申請に対し、県知事が行った認可処分は、仮にそれが営業の阻 止を主たる目的としてなされたものであったとしても、当該処分の根拠法令たる児 童福祉法所定の要件を満たすものであれば、当該認可処分を違法ということはでき ないから、当該個室付浴場営業は当然に違法となる。 2 特定の事業者の廃棄物処理施設設置計画を知った上で定められた町の水道水源保 護条例に基づき、当該事業者に対して規制対象事業場を認定する処分を行うに際し ては、町は、事業者の立場を踏まえて十分な協議を尽くす等、その地位を不当に害 することのないよう配慮すべきであるが、このような配慮要請は明文上の義務では ない以上、認定処分の違法の理由とはならない。 3 法の一般原則である信義則の法理は、行政法関係においても一般に適用されるも のであるとはいえ、租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係においては、 租税法規に適合する課税処分について信義則の法理の適用により当該課税処分を違 法なものとして取り消すことは、争われた事案の個別の状況や特段の事情の有無に かかわらず、租税法律主義に反するものとして認められない。 4 地方公共団体が将来にわたって継続すべき施策を決定した場合でも、当該施策が 社会情勢の変動等に伴って変更されることがあることは当然であるが、当該地方公 共団体の勧告ないし勧誘に動機付けられて施策の継続を前提とした活動に入った者 が社会観念上看過することのできない程度の積極的損害を被る場合において、地方 公共団体が当該損害を補償するなどの措置を講ずることなく施策を変更すること は、それがやむをえない客観的事情によるのでない限り、当事者間に形成された信 頼関係を不当に破壊するものとして違法となる。 5 国の通達に基づいて、地方公共団体が被爆者援護法*等に基づく健康管理手当の 支給を打ち切った後、当該通達が法律の解釈を誤ったものであるとして廃止された 場合であっても、行政機関は通達に従い法律を執行する義務があることからすれ ば、廃止前の通達に基づいて打ち切られていた手当の支払いを求める訴訟におい て、地方公共団体が消滅時効を主張することは信義則に反しない。 (注) * 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律
問題 26
公文書管理法*について説明する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (注) * 公文書等の管理に関する法律
問題 41
次の文章は、婚外子の法定相続分を嫡出である子の 2 分の 1 と定めていた民法規定(以下「本件規定」という。)を違憲とした最高裁判所の決定の一部である。空欄 [ア] 〜 [エ] に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から選びなさい。 本件規定は、国民生活や身分関係の基本法である民法の一部を構成し、相続という 日常的な現象を規律する規定であって、〔問題となった相続が開始した〕平成 13 年 7 月から既に約 12 年もの期間が経過していることからすると、その間に、本件規定の 合憲性を前提として、多くの遺産の分割が行われ、更にそれを基に新たな権利関係が 形成される事態が広く生じてきていることが容易に推察される。取り分け、本決定の 違憲判断は、長期にわたる社会状況の変化に照らし、本件規定がその合理性を失った ことを理由として、その違憲性を当裁判所として初めて明らかにするものである。そ れにもかかわらず、本決定の違憲判断が、 [ア] としての [イ] という形で既に行われ た遺産の分割等の効力にも影響し、いわば解決済みの事案にも効果が及ぶとすること は、著しく [ウ] を害することになる。 [ウ] は法に内在する普遍的な要請であり、当 裁判所の違憲判断も、その [ア] としての [イ] を限定し、 [ウ] の確保との調和を図 ることが求められているといわなければならず、このことは、裁判において本件規定 を違憲と判断することの適否という点からも問題となり得るところといえる。 以上の観点からすると、既に関係者間において裁判、合意等により [エ] なものと なったといえる法律関係までをも現時点で覆すことは相当ではないが、関係者間の法 律関係がそのような段階に至っていない事案であれば、本決定により違憲無効とされ た本件規定の適用を排除した上で法律関係を [エ] なものとするのが相当であるとい える。 (最大決平成 25 年 9 月 4 日民集 67 巻 6 号 1320 頁<文章を一部変更した。>) 1 公権力 2 事実上の拘束性 3 影響力の行使 4 法的安定性 5 衡平 6 暫定的 7 対話 8 先例 9 法令審査 10 確定的 11 具体的 12 家族法秩序 13 終審裁判所 14 既判力 15 司法積極主義 16 遡及的 17 実質的正義 18 蓋然的 19 公益 20 裁量統制
問題 42
次の文章の空欄 [ア] 〜 [エ] に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から選びなさい。 特定の公益事業の用に供するために、私人の特定の財産権を強制的に取得し、また は消滅させることを、 [ア] といい、これについて定めた代表的な法律として土地収 用法が存在する。 土地収用法は、土地収用の手続および補償について定めるが、補償の要否および範 囲をめぐって訴訟が提起されることがある。同法 88 条は、他の条文で規定する損失 に加えて、その他土地を収用し、または使用することによって発生する土地所有者ま たは関係人の「 [イ] 損失」を補償する旨定めているが、この規定をめぐって、いわ ゆる輪中堤の文化財的価値が損失補償の対象となるか否かが争われた事案がある。 昭和 63 年 1 月 21 日の最高裁判決は、同条にいう「 [イ] 損失」とは、客観的社会 的にみて収用に基づき被収用者が当然に受けるであろうと考えられる経済的・ [ウ] な損失をいうと解するのが相当であって、経済的価値でない特殊な価値については補 償の対象とならないとした。そして、由緒ある書画、刀剣、工芸品等のように、その 美術性・歴史性などのいわゆる文化財的価値なるものが、当該物件の取引価格に反映 し、その [エ] を形成する一要素となる場合には、かかる文化財的価値を反映した [エ] がその物件の補償されるべき相当な価格となるが、他方で、貝塚、古戦場、関 跡などにみられるような、主としてそれによって国の歴史を理解し往時の生活・文化 等を知り得るという意味での歴史的・学術的な価値は、特段の事情のない限り、当該 土地の不動産としての経済的・ [ウ] 価値を何ら高めるものではなく、その [エ] の形 成に影響を与えることはないから、このような意味での文化財的価値は、それ自体経 済的評価になじまないものとして、土地収用法上損失補償の対象とはなり得ないと判 示し、輪中堤の文化財的価値に対する損失補償を否定した。
2023年度
2023年度 全問 →問題 9
行政上の法律関係に関する次のア〜エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 ア 社会保障給付における行政主体と私人との間の関係は、対等なものであり、公権力の行使が介在する余地はないから、処分によって規律されることはなく、もっぱら契約によるものとされている。 イ 未決勾留による拘禁関係は、勾留の裁判に基づき被勾留者の意思にかかわらず形成され、法令等の規定により規律されるものであるから、国は、拘置所に収容された被勾留者に対して信義則上の安全配慮義務を負わない。 ウ 食品衛生法の規定により必要とされる営業の許可を得ることなく食品の販売を行った場合、食品衛生法は取締法規であるため、当該販売にかかる売買契約が当然に無効となるわけではない。 エ 法の一般原則である信義誠実の原則は、私人間における民事上の法律関係を規律する原理であるから、租税法律主義の原則が貫かれる租税法律関係には適用される余地はない。
問題 10
在留期間更新の許可申請に対する処分に関する次のア〜オの記述のうち、最高裁判所の判例(マクリーン事件判決〔最大判昭和 53 年 10 月 4 日民集 32 巻 7 号 1223 頁〕)に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 ア 在留期間更新の判断にあたっては、在留規制の目的である国内の治安と善良の風俗の維持など国益の保持の見地のほか、申請者である外国人の在留中の一切の行状を斟酌することはできるが、それ以上に国内の政治・経済・社会等の諸事情を考慮することは、申請者の主観的事情に関わらない事項を過大に考慮するものであって、他事考慮にも当たり許されない。 イ 在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由の有無にかかる裁量審査においては、当該判断が全く事実の基礎を欠く場合、または事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等により当該判断が社会通念に照らし、著しく妥当性を欠くことが明らかである場合に限り、裁量権の逸脱、濫用として違法とされる。 ウ 在留期間更新の法定要件である「在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由」があるかどうかに関する判断について、処分行政庁(法務大臣)には裁量が認められるが、もとよりその濫用は許されず、上陸拒否事由または退去強制事由に準ずる事由に該当しない限り更新申請を不許可にすることはできない。 エ 外国人の在留期間中の政治活動について、そのなかに日本国の出入国管理政策や基本的な外交政策を非難するものが含まれていた場合、処分行政庁(法務大臣)がそのような活動を斟酌して在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるものとはいえないと判断したとしても、裁量権の逸脱、濫用には当たらない。 オ 外国人の政治活動は必然的に日本国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼすものであるから、そもそも政治活動の自由に関する憲法の保障は外国人には及ばず、在留期間中に政治活動を行ったことについて、在留期間の更新の際に消極的事情として考慮することも許される。
問題 41
問題41 次の文章の空欄 [ア] 〜 [エ] に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から 選びなさい。 表現行為に対する事前抑制は、新聞、雑誌その他の出版物や放送等の表現物がその 自由市場に出る前に抑止してその内容を読者ないし聴視者の側に到達させる途を閉ざ し又はその到達を遅らせてその意義を失わせ、 [ア] の機会を減少させるものであり、 また、事前抑制たることの性質上、予測に基づくものとならざるをえないこと等から 事後制裁の場合よりも広汎にわたり易く、濫用の虞があるうえ、実際上の抑止的効果 が事後制裁の場合より大きいと考えられるのであって、表現行為に対する事前抑制 は、表現の自由を保障し検閲を禁止する憲法 21 条の趣旨に照らし、厳格かつ [イ] な 要件のもとにおいてのみ許容されうるものといわなければならない。 出版物の頒布等の事前差止めは、このような事前抑制に該当するものであって、と りわけ、その対象が公務員又は公職選挙の候補者に対する評価、批判等の表現行為に 関するものである場合には、そのこと自体から、一般にそれが [ウ] に関する事項で あるということができ、前示のような憲法 21 条 1 項の趣旨(略)に照らし、その表 現が私人の名誉権に優先する社会的価値を含み憲法上特に保護されるべきであること にかんがみると、当該表現行為に対する事前差止めは、原則として許されないものと いわなければならない。ただ、右のような場合においても、その表現内容が真実でな く、又はそれが専ら [エ] を図る目的のものでないことが明白であって、かつ、被害 者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるときは、 ・・・(中略)・・・例 外的に事前差止めが許されるものというべきであ〔る〕(以下略)。 (最大判昭和 61 年 6 月 11 日民集 40 巻 4 号 872 頁) 1 名誉毀損 2 公正な論評 3 公共の安全 4 私的自治 5 公務の遂行 6 公の批判 7 実質的 8 公益 9 営利 10 公正 11 出版者の収益 12 事実の摘示 13 公共の利害 14 国民の自己統治 15 公権力の行使 16 個別的 17 合理的 18 明確 19 著者の自己実現 20 公共の福祉
2022年度
2022年度 全問 →問題 9
行政契約に関する次のア〜オの記述のうち、法令または最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。
問題 10
行政調査に関する次の記述のうち、法令または最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
問題 25
次に掲げる国家行政組織法の条文の空欄 ア 〜 オ に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。 第1条 この法律は、内閣の統轄の下における行政機関で ア 及びデジタル庁以外のもの(以下「国の行政機関」という。)の組織の基準を定め、もって国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする。 第 3 条第 1 項 国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。 同第 2 項 行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、 イ 及び庁とし、その設置及び廃止は、別に ウ の定めるところによる。 同第 3 項 省は、内閣の統轄の下に第 5 条第 1 項の規定により各省大臣の エ する行政事務及び同条第 2 項の規定により当該大臣が掌理する行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、 イ 及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。 第 5 条第 1 項 各省の長は、それぞれ各省大臣とし、内閣法にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を エ する。 同第 2 項 各省大臣は、前項の規定により行政事務を エ するほか、それぞれ、その エ する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務を掌理する。 同第 3 項 各省大臣は、国務大臣のうちから、 オ が命ずる。(以下略)
問題 42
次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から 選びなさい。 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(行政機関情報公開法)に基づき、行 政機関の長に対して、当該行政機関が保有する [ア] の開示が請求された場合、当該 行政機関の長は、当該 [ア] の開示又は不開示の決定(開示決定等)をしなければな らない。 開示決定等は、行政手続法上の [イ] であるから、同法の定めによれば、当該行政 機関の長は、不開示決定(部分開示決定を含む。)をする場合、原則として、開示請 求者に対し、同時に、当該決定の [ウ] を示さなければならない。 開示決定等に不服がある者は、行政不服審査法に基づく審査請求をすることができ る。審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長は、原則として、 [エ] に諮問しな ければならない(当該行政機関の長が会計検査院長である場合を除く)。 [エ] は、必 要があると認めるときは、諮問をした行政機関の長(諮問庁)に対し、 [ア] の提示 を求めることができ、諮問庁は、これを拒むことができない。この審査請求において は、処分庁は、当初に示された [ウ] と異なる [ウ] を主張することもできる。
2021年度
2021年度 全問 →問題 9
行政裁量に関する次のア〜オの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当な ものの組合せはどれか。 ア 教科書検定の審査、判断は、申請図書について、内容が学問的に正確であるか、 中立・公正であるか、教科の目標等を達成する上で適切であるか、児童、生徒の心 身の発達段階に適応しているか、などの観点から行われる学術的、教育的な専門技 術的判断であるから、事柄の性質上、文部大臣(当時)の合理的な裁量に委ねられ る。 イ 国家公務員に対する懲戒処分において、処分要件にかかる処分対象者の行為に関 する事実は、平素から庁内の事情に通暁し、配下職員の指揮監督の衝にあたる者が 最もよく把握しうるところであるから、懲戒処分の司法審査にあたり、裁判所は懲 戒権者が当該処分に当たって行った事実認定に拘束される。 ウ 公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病の認定は、水俣病の罹患の有 無という現在または過去の確定した客観的事実を確認する行為であって、この点に 関する処分行政庁の判断はその裁量に委ねられるべき性質のものではない。 エ 生活保護法に基づく保護基準が前提とする「最低限度の生活」は、専門的、技術 的な見地から客観的に定まるものであるから、保護基準中の老齢加算に係る部分を 改定するに際し、最低限度の生活を維持する上で老齢であることに起因する特別な 需要が存在するといえるか否かを判断するに当たって、厚生労働大臣に政策的な見 地からの裁量権は認められない。 オ 学校施設の目的外使用を許可するか否かについては、原則として、管理者の裁量 に委ねられており、学校教育上支障があれば使用を許可することができないことは 明らかであるが、集会の開催を目的とする使用申請で、そのような支障がないもの については、集会の自由の保障の趣旨に鑑み、これを許可しなければならない。
問題 10
行政立法についての最高裁判所の判決に関する次の記述のうち、妥当なものはど れか。
問題 15
問題15 再調査の請求について定める行政不服審査法の規定に関する次の記述のうち、正 しいものはどれか。
問題 41
次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から選びなさい。 問題は、裁判員制度の下で裁判官と国民とにより構成される裁判体が、 [ア] に関する様々な憲法上の要請に適合した「 [イ] 」といい得るものであるか否かにある。 ・・・(中略)・・・。 以上によれば、裁判員裁判対象事件を取り扱う裁判体は、身分保障の下、独立して職権を行使することが保障された裁判官と、公平性、中立性を確保できるよう配慮された手続の下に選任された裁判員とによって構成されるものとされている。また、裁判員の権限は、裁判官と共に公判廷で審理に臨み、評議において事実認定、 [ウ] 及び有罪の場合の刑の量定について意見を述べ、 [エ] を行うことにある。これら裁判員の関与する判断は、いずれも司法作用の内容をなすものであるが、必ずしもあらかじめ法律的な知識、経験を有することが不可欠な事項であるとはいえない。さらに、裁判長は、裁判員がその職責を十分に果たすことができるように配慮しなければならないとされていることも考慮すると、上記のような権限を付与された裁判員が、様々な視点や感覚を反映させつつ、裁判官との協議を通じて良識ある結論に達することは、十分期待することができる。他方、憲法が定める [ア] の諸原則の保障は、裁判官の判断に委ねられている。 このような裁判員制度の仕組みを考慮すれば、公平な「 [イ] 」における法と証拠に基づく適正な裁判が行われること(憲法 31 条、32 条、37 条 1 項)は制度的に十分保障されている上、裁判官は [ア] の基本的な担い手とされているものと認められ、憲法が定める [ア] の諸原則を確保する上での支障はないということができる。 (最大判平成 23 年 11 月 16 日刑集 65 巻 8 号 1285 頁) 1 憲法訴訟 2 民事裁判 3 裁決 4 行政裁判 5 情状酌量 6 判例との関係 7 司法権 8 公開法廷 9 判決 10 紛争解決機関 11 決定 12 法令の解釈 13 裁判所 14 人身の自由 15 立法事実 16 評決 17 参審制 18 議決 19 法令の適用 20 刑事裁判
問題 42
感染症法*の令和 3 年 2 月改正に関する次の会話の空欄 [ア] 〜 [エ] に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から選びなさい。 教授A: 今日は最近の感染症法改正について少し検討してみましょう。 学生B: はい、新型コロナウイルスの感染症防止対策を強化するために、感染症法が改正されたことはニュースで知りました。 教授A: そうですね。改正のポイントは幾つかあったのですが、特に、入院措置に従わなかった者に対して新たに制裁を科することができるようになりました。もともと、入院措置とは、感染者を感染症指定医療機関等に強制的に入院させる措置であることは知っていましたか。 学生B: はい、それは講学上は [ア] に当たると言われていますが、直接強制に当たるとする説もあって、講学上の位置づけについては争いがあるようです。 教授A: そのとおりです。この問題には決着がついていないようですので、これ以上は話題として取り上げないことにしましょう。では、改正のポイントについて説明してください。 学生B: 確か、当初の政府案では、懲役や 100 万円以下の [イ] を科することができるとなっていました。 教授A: よく知っていますね。これらは、講学上の分類では [ウ] に当たりますね。その特徴はなんでしょうか。 学生B: はい、刑法総則が適用されるほか、制裁を科す手続に関しても刑事訴訟法が適用されます。 教授A: そのとおりですね。ただし、制裁として重すぎるのではないか、という批判もあったところです。 学生B: 結局、与野党間の協議で当初の政府案は修正されて、懲役や [イ] ではなく、 [エ] を科することになりました。この [エ] は講学上の分類では行政上の秩序罰に当たります。 教授A: そうですね、制裁を科すとしても、その方法には様々なものがあることに注意しましょう。 (注) * 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 1 罰金 2 過料 3 科料 4 死刑 5 公表 6 即時強制 7 行政代執行 8 仮処分 9 仮の義務付け 10 間接強制 11 課徴金 12 行政刑罰 13 拘留 14 損失補償 15 負担金 16 禁固 17 民事執行 18 執行罰 19 給付拒否 20 社会的制裁
2020年度
2020年度 全問 →問題 9
行政行為(処分)に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当な ものはどれか。
問題 16
不作為についての審査請求について定める行政不服審査法の規定に関する次のア 〜エの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 ア 不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期 間が経過しないでされたものである場合、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却 する。 イ 不作為についての審査請求について理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当 該審査請求を棄却する。 ウ 不作為についての審査請求について理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当 該不作為が違法または不当である旨を宣言する。 エ 不作為についての審査請求について理由がある場合、不作為庁の上級行政庁では ない審査庁は、当該不作為庁に対し、当該処分をすべき旨を勧告しなければならな い。
問題 25
情報公開をめぐる最高裁判所の判例に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。 (注) * 行政機関の保有する情報の公開に関する法律
問題 26
自動車の運転免許に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
問題 41
次の文章の空欄[ア]〜[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢( 1 〜20)から選びなさい。 このような労働組合の結成を憲法および労働組合法で保障しているのは、社会的・経済的弱者である個々の労働者をして、その強者である [ア] との交渉において、対等の立場に立たせることにより、労働者の地位を向上させることを目的とするものであることは、さきに説示したとおりである。しかし、現実の政治・経済・社会機構のもとにおいて、労働者がその経済的地位の向上を図るにあたつては、単に [ア] との交渉においてのみこれを求めても、十分にはその目的を達成することができず、労働組合が右の目的をより十分に達成するための手段として、その目的達成に必要な [イ] や社会活動を行なうことを妨げられるものではない。 この見地からいつて、本件のような地方議会議員の選挙にあたり、労働組合が、その組合員の居住地域の生活環境の改善その他生活向上を図るうえに役立たしめるため、その [ウ] を議会に送り込むための選挙活動をすること、そして、その一方策として、いわゆる統一候補を決定し、組合を挙げてその選挙運動を推進することは、組合の活動として許されないわけではなく、また、統一候補以外の組合員であえて立候補しようとするものに対し、組合の所期の目的を達成するため、立候補を思いとどまるよう勧告または説得することも、それが単に勧告または説得にとどまるかぎり、組合の組合員に対する妥当な範囲の [エ] 権の行使にほかならず、別段、法の禁ずるところとはいえない。しかし、このことから直ちに、組合の勧告または説得に応じないで個人的に立候補した組合員に対して、組合の [エ] をみだしたものとして、何らかの処分をすることができるかどうかは別個の問題である。 (最大判昭和 43 年 12 月 4 日刑集 22 巻 13 号 1425 頁)