国家賠償
(こっかばいしょう)
公務員が職務を行うについて故意または過失により違法に他人に損害を加えた場合、国または公共団体が負う損害賠償責任。立法行為については極めて限定的に認められる。
関連用語グラフ
| 関連用語 | 関係 | 説明 |
|---|---|---|
| 損失補償 ← | 損失補償 → 国家賠償 contrasts | 適法行為か違法行為かで対比される |
関連判例
工場抵当の目的動産の搬出と妨害排除請求
最高裁判所第三小法廷 昭和57年3月12日
工場抵当の目的動産が無断で搬出された場合、第三者が即時取得しない限り、抵当権者は抵当権に基づく妨害排除請求権を行使できる。この請求により、抵当権者は動産をもとの備付場所に戻すよう求めることが可能である…
経済産業省職員の性同一性障害に関する処遇事件
最高裁判所第三小法廷 令和5年7月11日
性同一性障害を有する経済産業省職員が、職場で女性用トイレの使用を制限されたことに対し、国家賠償を求めた事案である。最高裁は、人事院の判定が性同一性障害者の置かれた状況や不利益を十分に考慮しておらず、裁…
公務員の共同不法行為と国賠法1条2項の求償権
最高裁判所第二小法廷 平成21年10月23日
複数の公務員が共同の故意により違法に損害を与え、国等が賠償した場合の求償権の性質が争われた。裁判所は、公務員らに故意又は重過失があるため国賠法1条2項に基づく求償権が生じるとした。また、その求償債務は…
地方公共団体の施策変更と信頼保護
最高裁判所第三小法廷 平成19年11月30日
地方公共団体の施策変更に伴い、代償措置を講じないことが違法となるかが争われた。最高裁は、やむを得ない客観的事情がない限り、代償措置を講じない変更は信頼関係を不当に破壊するものとして国家賠償法上違法とな…
監獄内接見禁止事件
最高裁判所第三小法廷 平成3年7月9日
監獄法に直接の根拠がない中で、省令により一律に幼年者との接見を禁止することが適法かが争われた。最高裁は、監獄の規律維持等の例外的な場合を除き、法律の委任の範囲を逸脱し無効であると判示した。行政による人…
指定確認検査機関の建築確認と国賠法
最高裁判所第一小法廷 平成17年6月24日
指定確認検査機関による建築確認事務が、国家賠償法上の「公権力の行使」に当たるかどうかが争われた。最高裁は、建築確認事務は本来地方公共団体の事務であり、民間機関がこれを行う場合であっても、その行為は公権…
高速道路キツネ侵入事故国家賠償請求事件
最高裁判所第一小法廷 平成22年3月2日
高速道路への動物の侵入を完全に防止することは困難であり、防護柵の設置等には限界がある。本件では、動物注意標識による注意喚起等の措置が講じられていたことや、回避可能性等の事情を考慮した。その結果、防護柵…
国家賠償法3条1項の費用負担者に関する判例
最高裁判所第三小法廷 平成11年1月21日
国家賠償法3条1項の「費用負担者」の解釈について、法律上の義務者のみならず、同等に近い費用を負担し実質的に事業を共同執行する者も含まれると判示した。これにより、実質的な費用負担者も賠償責任を負う可能性…
ハンセン病国賠訴訟(熊本地裁判決)
熊本地裁 平成13年5月11日
らい予防法による隔離政策が、憲法13条や14条に違反する違憲なものであったと認定された判決である。裁判所は、国会議員の立法不作為および厚生大臣の規制権限不行使が国家賠償法上の違法性を有すると判断した。…
保安林指定解除処分取消訴訟
最高裁判所第三小法廷 平成17年12月1日
保安林指定解除処分の取消訴訟において、代替施設の設置等により洪水等の危険が解消された場合、訴えの利益が消滅するかが争われた。裁判所は、処分によって生じた利益侵害状況が事後の事情変更により解消された場合…
関連する過去問
検察官が公訴を提起した裁判において、無罪の判決が確定したとしても、そのことから直ちに、起訴前の逮捕や勾留とその後の公訴の提起などが国家賠償法1条1項の適用上違法…
指定確認検査機関による建築確認事務は、当該確認に係る建築物について確認権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体の事務であり、当該地方公共団体が、当該事務につい…
走行中の自動車がキツネ等の小動物と接触すること自体により死傷事故が発生する危険性は高いものではなく、通常は適切な運転操作により回避することを期待できるものという…
地方公共団体が将来にわたって継続すべき施策を決定した場合でも、当該施策が社会情勢の変動等に伴って変更されることがあることは当然であるが、当該地方公共団体の勧告な…
国または公共団体の公権力の行使に当たる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国または公共団体がこれを賠償した…
公の営造物の設置又は管理に瑕疵があることによる国家賠償責任につき、当該営造物の設置又は管理に当たる者とその費用の負担者とが異なるときは、その双方が責任を負うこと…
熊本地方裁判所は、2001年のハンセン病国家賠償請求訴訟の判決において、隔離政策を続けた国の責任を認め、元患者らに対する損害賠償の支払を命じた。
予防接種による被害について、その結果が違法であっても担当者に過失がない場合には、賠償も補償も及ばないいわゆる谷間の問題が生じ、被害者の救済には立法による解決が必…
『超訳・行政書士』で学習をもっと深める
音声・超訳・AI深掘り・弱点ドリル。基本無料。