不法行為
(ふほうこうい)
故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害する行為。加害者は被害者に対して損害賠償責任を負う。
関連用語グラフ
| 関連用語 | 関係 | 説明 |
|---|---|---|
| 事理弁識能力 ← | 事理弁識能力 → 不法行為 requires | 責任能力の判断に必要 |
| 名誉毀損 ← | 名誉毀損 → 不法行為 instance_of | — |
| 責任弁識能力 ← | 責任弁識能力 → 不法行為 requires | 損害賠償責任を負うための前提 |
| 緊急避難 ← | 緊急避難 → 不法行為 contrasts | 緊急避難は違法性を阻却する |
| 正当防衛 ← | 正当防衛 → 不法行為 contrasts | 正当防衛は不法行為を成立させない |
| 逸失利益 ← | 逸失利益 → 不法行為 requires | 不法行為による損害賠償の算定対象 |
| 現存利益 ← | 現存利益 → 不法行為 contrasts | 不当利得の返還範囲と不法行為の賠償範囲の対比 |
| 損害賠償 → | 不法行為 → 損害賠償 triggers | 不法行為の成立が損害賠償請求権を発生させる |
| 慰謝料請求権 → | 不法行為 → 慰謝料請求権 triggers | 不法行為が損害賠償請求の原因 |
| 慰謝料請求権 ← | 慰謝料請求権 → 不法行為 triggers | 不法行為が慰謝料請求権を発生させる |
| 責任無能力者 ← | 責任無能力者 → 不法行為 requires | 責任無能力者は不法行為責任を負わない |
関連判例
名誉毀損における名誉の定義
最高裁判所第三小法廷 昭和61年6月11日
名誉とは、人が社会から受ける客観的な評価を指す。名誉毀損とは、その客観的評価を低下させる行為をいう。なお、客観的評価の低下に至らない場合でも、名誉感情の侵害が不法行為となる例外的なケースについても言及…
賃貸借解除後の有益費と留置権
最高裁判所第三小法廷 昭和46年11月5日
賃貸借契約が解除された後の不法占有中に支出した有益費については、留置権の成立が否定される。民法295条2項の趣旨に基づき、占有が不法行為により始まった場合には留置権を認めないという判断である。
サンケイ新聞事件
最高裁判所大法廷 昭和62年4月24日
新聞社が掲載した記事に対し、反論権の行使を認めるべきかどうかが争われた。最高裁は、憲法21条が保障する表現の自由には、反論権の制度化を求める権利は含まれないと判示した。不法行為の成立を前提としない反論…
ピンク・レディー事件
最高裁判所第三小法廷 平成24年2月2日
著名人の氏名や肖像を無断で利用する行為が、パブリシティ権の侵害として不法行為を構成するかどうかが争われた事案である。最高裁は、肖像等を単に商品化するだけでなく、顧客吸引力を利用する目的で利用する場合等…
肖像権侵害事件
最高裁判所第三小法廷 平成17年11月10日
承諾なく容貌等を撮影・公開されることが、肖像権の侵害にあたるかが争われた事案である。最高裁は、個人の私生活上の自由の一つとして、何人もその承諾なしにみだりに容貌等を撮影・公表されない権利(肖像権)を有…
未成年者の過失相殺と事理弁識能力
最高裁判所第三小法廷 昭和39年6月24日
過失相殺において未成年の過失を斟酌する場合、不法行為の責任能力(民法712条)までは不要である。事理を弁識するに足りる知能(事理弁識能力)が具わっていれば、過失相殺の対象となりうると判断した。
関連法令
| 法令名 | 条文 |
|---|---|
| 民法 | 第722条、第35条、第724条、第509条 |
| 法の適用に関する通則法 | 第3条、第17条、第18条、第20条 |
| 日本国憲法 | 第17条 |
| 商法 | 第789条 |
関連する過去問
一般人であっても承諾なく容貌等を改変・公開されない肖像権やプライバシー権を有するため、ディープフェイクによる改変や公開は、故意または過失による不法行為として損害…
投資詐欺の被害を避けるには、著名人のなりすましによる広告での勧誘ではないかを判断するために、本人の公式アカウントなどで情報を確認することが望ましい。
不法行為の成立を前提としない反論権は、特に公的事項に関する批判的記事の掲載をちゅうちょさせ、憲法が保障する表現の自由を間接的に侵す危険につながるおそれも多分に存…
建物賃借人が賃料不払いにより賃貸借契約を解除された後に当該建物につき有益費を支出した場合、賃貸人による建物明渡請求に対して、賃借人は、有益費償還請求権を被担保債…
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不法行為に基づく損害賠償債務は損害の発生と同時に履行遅滞に陥るため、これに付される遅延損害金は、原則として不法行為の時における法定利率によって算定される。
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